耐震性能だけで決まらない!住宅倒壊を左右する「地盤」について

地震という災害の多い日本においては、建物に耐震性があることが求められます。一方で耐震性はあくまでも建物の性能であり、その建物の建つ地面に関してはあまり注目されていません。しかし、いくら耐震性が優れていても地面の状態によっては、倒壊するリスクが高いといえます。災害に強い建物を作る場合には地面にも注目する必要があります。

住宅の倒壊リスクを高める地盤について

建物が倒壊してしまう理由としては、建物の耐震性があります。耐震性が弱ければそれだけ揺れに対する建物の強さが低下し、揺れによって建物が倒壊してしまいます。一方で耐震基準では、あくまでも建物の耐震性が重視されていますが、実際のところ建物がいくら頑丈にできていても地盤が弱ければ倒壊のリスクが高まります。
地盤が弱いことによるデメリットとしては、地震などの災害のさいに揺れが増幅したり沈下するといったリスクが増えますし、また洪水などの際には地盤が流れてしまって沈下するリスクが増大することになります。

地盤調査はどうすればよい?

実際の地盤状態は見た目にはわかりにくいものです。もちろんある程度、地域の地質によってその状態は知ることができますが、実際に建物が建っている場所がどのような地質であるかは変わってきます。特に盛土によって造成された地域では軟弱なケースが多く注意が必要です。
これらを調査するためには専門の調査会社を使って調べてもらう必要があります。調査は総合的に行われもとからの地図や航空写真などからその地域の地質を調べ、またボーリングを行い地中の土質などを調べることで見えない土の中の状態を把握することができます。

耐震性の3つのポイント「地盤」「基礎」「構造」

災害に強い家を建てる際には、建物の耐震性だけでなくその建物が建つべき地盤を強化することが大事です。これは建物(構造)を支えるのが基礎であり、基礎が乗るのが地盤であるためです。
現在では建物は木造であっても耐震金具などを使えば優れた耐震性を持たせることができますし、基礎も現在ではベタ基礎と呼ばれる、建物が乗る部分のすべてが鉄筋コンクリートで出来ているものになり非常に強固です。しかし、肝心の地盤が弱ければ建物が傾いたり、最悪の場合には倒壊してしまうリスクを増大させます。このため強い耐震性を得るためにはこの3つを複合的に強化することがポイントになります。

まとめ

現在の日本における建物の耐震性は世界的に見ても非常に優れたものです。しかし、地盤に関しては見えない場所ということもあり、あまり注目されていません。建物を建てるさいには地中の状態も知ることが災害に負けない強い建物を作る上で重要なポイントになります。