将来を見据えて考えたい、間取りのあり方

住宅を建てる場合、間取りは重要な要素です。家庭ごとの生活の違い、家族構成や年齢の違いにより戸建て住宅のプランは変化します。子供の成長や老後の生活など、将来を見据えて考える必要があります。住宅雑誌や住宅をテーマにしたテレビ番組はさほど参考になりません。自分の家族の生活とかけ離れたプランは、役に立たないからです。

家族の年齢や構成によって変化する間取りへの需要

戸建て住宅の間取りは、家族の構成や年齢によって変化します。プランニングをする上で大切なのは、家族の特性と時間軸です。家族の生活実態に合ったプランとする必要があり、将来を見据えたプランを考える必要があります。

家族の特性を知るには、今まで暮らしてきた暮らし方を見つめなおすことが必要です。他の家族や住宅は参考にならず、むしろ、家族が今まで住んできた住宅やその使い方が参考になります。将来を見据えたプランづくりでは、自由度を持たせることも大切です。将来を正確に予測することはできず、無駄な部屋や空間をつくっておく事で、将来の変化に対応するのも一つの方法です。

子供の成長を考慮した間取りの考え方

戸建てでは、子供部屋の占める割合が大きくなりがちです。子供の可能性にかける家族の思いが伝わってきますが、子供にとっては必ずしも必要な空間となっていない場合が多くあります。子供が家の中で過ごす時間は圧倒的に居間での時間が多く、個室に戻るのは寝るときだけの場合がほとんどです。

戸建てでは、子供部屋のスペースは最小限に留め、常に過ごす居間に面積を割くほうが合理的です。居間には一家の主人のスペースや、主婦が家事をするスペースも組み込み、子供も含めた家族が長くいっしょの時間を過ごせる住宅にしたいものです。

老後を考慮した間取りの考え方

人間は誰しも年をとります。戸建ての間取りを考える場合は、老後を考慮しなければなりません。政府は老人の介護を施設ではなく、在宅で行う方向に舵を切っています。自宅で老後を過ごす時間は思ったよりも長くなるかも知れず、そのための準備が必要です。

老後支障なく生活するための間取りのポイントは、1階部分に独立した老人室に転用できる洋間を設けることです。近くにトイレがあり、ミニキッチンが設置してあれば、そこだけで生活が可能です。老人になると階段の昇降が難しくなり、1階が生活空間の中心となります。玄関、トイレ、廊下、浴室に手すりを設置することは、始めから行っておくべきことです。

まとめ

将来を見据えた間取りの手法がお判りいただけたでしょうか。間取りは部屋を仕切りすぎると将来の変化に対応できなくなるため、フレキシブルにしておくことが重要です。子供の部屋には面積を割かず、老人室は1階部分に独立して設け、それ以外の部分は極力フレキシブルにつくることが大切です。